本研究室では、機械的素子と電気的素子を超小型化し、両者を集積化したシステムを作る、マイクロメカトロニクス技術を研究している。この技術を用いれば、ミクロの世界で自由自在に働くマイクロマシンを実現することが期待される。主として、半導体微細加工を援用したマイクロマシニング技術、静電アクチュエータなどのマイクロアクチュエータ、電子回路やセンサとマイクロ構造やアクチュエータとを集積化したシステムを中心に研究を進めている。これらの技術を基に、バイオ技術との融合、ナノサイエンスの計測装置、産業界と連携して特定の用途に役立つ応用システムの実現を指向した研究も行っている。

 これまでの成果としては、第一に直径100μmの静電マイクロモータや超電導体のマイスナ効果を利用した超電導浮上マイクロアクチュエータ等のデバイスの製作と動作の確認を行った。また、たくさんのマイクロアクチュエータをアレイ状に並べて物体を搬送する、人工繊毛システムの製作と動作確認に成功し、並列協調型マイクロマシンの概念を実証した。さらに応用デバイスとして、真空トンネル電流を用いた超高感度変位センサや、光チョッパー、真空マイクロエレクトロニクスによる平面ディスプレイなどを試作し、良好な性能を示すことを示した。

 しかし、並列協調型マイクロマシンにおいては、多数のアクチュエータを制御するためのセンサや電子回路の集積化プロセスの問題があり、今後はこれらを含めた真のマイクロメカトロニクス技術を追求していきたい。また応用システムにおいては、従来のシステムと比較して本当に有利であるのかが十分に示されていないため、技術の発展と実用化が不十分である。このため、今後は大容量情報記憶装置、光システム、ディスプレイなど有望な応用分野を中心に、必要な仕様と要求を満たす実用的なマイクロシステムを研究していく計画である。


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Last-modified: 2017-02-17 (金) 14:33:03 (735d)