大学院受験生へ

藤田研究室は、集積回路技術を用いてミクロやナノの世界の機械(MEMS、マイクロマシン)をつくり、バイオ技術やナノテクノロジーに応用する研究をしています。

全体の大きさが数mmのチップ上に、最小で数十nmの立体構造を実現し、静電気などの力で動かします。

例えば、シリコン製のミクロのピンセットの先に電圧を加え、DNA分子を捕獲するのに成功しました。また、電子顕微鏡中でシリコンのナノワイヤーの引っ張り試験をしたら、チューインガムのように伸びるのが見えました。

また、髪の毛の太さ位(直径100μm)のモータを静電気で回したり、生体のせん毛の真似をして長さ500μmのアクチュエータをたくさん並べて振動させ、上に置いたシリコンウェハーを運んだりしています。

研究テーマ

研究テーマは新規なマシンやプロセスを工夫したり、マイクロマシンと他のデバイスを集積化して、バイオ技術や原子分子操作への応用を試みたり、生体から学んだシステム構造をマイクロマシーニングで実現したりと、広い範囲に渡っています。

1. ナノテクノロジーへの応用
 分子を捕獲・操作・計測するナノピンセット
 透過電顕中で働くマイクロデバイスによる原子分子の観測や評価

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金ナノコンタクト形状変化のその場観察と特性評価 金ナノコンタクトの引張による形状変化とコンダクタンスの同時測定

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DNA捕獲用ナノピンセット ナノピンセット間に捕獲したDNAの電子顕微鏡写真

2. バイオテクノロジーへの応用
 超高速マイクロヒータによるたんぱく─分子の計測
 生体分子モータで人工ナノ構造を動かす
 生体分子モータに倣うブラウン運動モータ

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直径400マイクロメートルの高速温度制御デバイス

3. MEMSシステムとその応用
 電子回路と集積化した自律分散スマートMEMS
 MEMS応用黒板型ディスプレイ
 高密度データ記録用MEMS

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MEMS黒板形ディスプレイ 黒板形ディスプレイの動作:(1)初期状態(2)押して書込み(3)部分消去(4)全面消去

研究設備

マイクロマシーニング設備は、シリコンのプロセス装置を完備しているクリーンルームがいつでも自由に使え、本分野で日本の最高レベルです。走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡やレーザドップラー速度計等で、作ったデバイスの動きも調べられます。

バイオ応用に必要な、バイオアッセイ室や蛍光顕微鏡なども揃っています。新しいアイディアを実際のマイクロマシンとして実現し、試験できるまでの時間が、極めて短くできるように工夫して、進歩の速いこの分野で、いつも先頭にいられるようがんばっています。

この他、マイクロマシンの設計や解析用のワークステーションやパソコンも多数あり、計算通信環境も整っています。

研究室からのメッセージ

ナノテクには、2つの流れがあります。より大きな物体を切ったり、削ったりして微小にして行く微小化の流れと、原子や分子から出発して、それを多数組み合わせて、より大きく複雑なものを組み立てていく組織化の流れです。

原子の0.1nmの世界から、私たちの住むマクロ世界までをスムーズにつなぐには、この両方の流れが、数十nmの領域で結合することが必要です。こうすることによって、ナノの世界で起きた現象を、マクロの世界で読み出したりコントロールしたりできるのです。

また、バイオ技術で得た高機能の材料をうまく生かすには、血管にあたるマイクロ流路、神経系にあたる電子回路などと組み合わせることが必要です。ナノテクを実社会で活用するために、マイクロナノマシンの技術が必須なのはこうした理由です。

ナノテクノロジーは世界が相手です。世界的に活動するには、日本だけの狭い視点を超えた広い視野と、異なったことを受け入れられる柔軟な精神が必要です。優れた研究成果はもちろんですが、先生や外国人研究者と対等に議論できる緻密な論理と表現力が必要です。

藤田研は国際的な評価も高く、メンバーの半分はヨーロッパからの共同研究員なので、ディスカッションは主に英語で行っています。留学や国際会議参加のチャンスも多く、ナノテクで世界をリードするための環境が整っています。研究を楽しんで世界に雄飛する研究者を目指してください。そこには輝かしい創造の世界が広がっています。

受験に関する情報

受験に関する情報は、東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻電気電子工学コースのホームページをご覧ください。http://www.eeis.t.u-tokyo.ac.jp/ee/


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