無人島と一冊の本

 「無人島に流刑になったとして、一冊だけ本が許されるなら何にする」というのは、よ
くある質問だ。お約束は聖書だが、広辞苑とか一冊物の源氏物語とかいろいろ思い浮かぶ。
でも今ならデジタルブック一冊が正解。万巻の書籍を携帯できるし、指で表面をなぞれば、
拡大縮小ばかりかページもめくれる。

 しかしちょっと待て、電池が切れたらどうしよう。携帯電話でも最大のピンチは、充電
切れだ。デジタルブックの背中に太陽電池を貼るのが良いけれど、雨や曇りの日、夜の間
はやはり困ってしまう。そんな時にお奨めなのが、振動発電だ。マイクロマシンの技術で、
昔の自動巻き時計より千倍、万倍に性能を改善してデジタルブックを持って歩くときの動
きから、エネルギーを絞り出す。

 なんだか今年は研究の宣伝になってしまったが、私個人は紙が好きだ。紙をめくる手触
り、活字の黒と紙の微妙な色の対比、お好みの場所をさっと開く楽しさ。落としても塩水
に濡れても故障しない。やっぱり何の一冊にするか、悩むことになりそうだ (2015元旦)

             171-0041 豊島区千川1−9−14      藤田博之


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